高校生の時は外見が最悪だったのに6年後は美人に変貌

Bは同じ年で、市内で一番の進学校に通っていた。

送られた写メはとても色白で、かわいらしい顔をしているように見えた。

2週間ほどのメールでアポを取り、お互いの高校の真ん中あたりにある

ミスタードーナツで初めて会うこととなったが、そこに現れたのは、

パーツはとても整っているのだが、配置に少しトラブルを抱えており

非常に余白の多い顔をした女性だった。

 

実家が歯医者で、お小遣いをたくさんもらっているようで、

ミスタードーナツはご馳走してもらったが、私のイチモツは一切

反応しなかった。私も、イチモツがどうしようもなく寂しい日には、

このBを相手にしようか・・・とも考えたが、何度考えてもBの顔は

イチモツを奮い立たせるには至らず、3回ほど会ったときに告白されたが、

丁寧にお断りさせていただき、その後は連絡を取らなくなった。

 

約6年くらいたち、私は全く別の女性と市内のイオンでデートしていた時、

当時オープンしたてのフレッシュジュース専門店でドリンクを買おうと

した時だった。「久しぶり。」ジュースに入れる果物を選んでいた私に、

ショーケース越しに話しかけてきたのは、髪の毛を明るく染め、

驚くほどダイエットに成功し、整ったパーツがバランスよく配置され、

誰が見ても“美人”になったBだった。

 

ジュース屋の店員の制服はとても可愛くて、変貌したBのかわいらしさを

より一層引き立てていた。間違いなく、私がデートしていた女性よりも

美人だったので、私は何とも言えない歯がゆさを感じながら、Bから

バナナジュースを受け取った。それ以降私は、女性を第一印象だけで

判断せず、将来性を考慮してから、じっくりと判断することにしている。

童貞卒業は出会い系での年上のフリーター女性

その女性は、私の実家から2時間ほど離れた町に住んでいる

5歳くらい年上のフリーターの女性だった。

簡単に会える距離ではないものの、深夜バスで行けば行けない

ことはない町だった。写メも交換しておらず、お互いの容姿も

分からなかったが、週末という事もあり彼女から「泊まりに来ないか」

と連絡があったのだ。女性の家にお泊り・・・私のイチモツは音を立てて

膨張し続けた。バッキバキの童貞ではあるが、直感が「この女性はエロい」

と教えてくれている。たとえどんなにタイプの見た目でなくても、

私はこの“Y”という女性に全てを捧げる覚悟を決めていた。

 

なぜ、突然Yが私にアポを取ってきたかというと、私の住んでる町に

Yの姉の旦那が出張できており、私を拾ってYの住む町まで帰るという

提案をしてくれたのだ。初対面中の初対面であるYの姉の旦那ではあるが、

ありがたいオファーなので、快く乗車させていただくことにした。

出会い系サイトで出会ったというのは恥ずかしいので、その旦那さんには

“前からの友達”ということにした。金曜の夜20時。静かに雪が降り続ける中、

私は“同じ部活の友達の家に泊まりに行く”と母親にウソをつき、

最寄りの駅(歩いて30分)へと向かった。Yの姉の旦那が迎えに来て

くれるまで、色々な不安が襲ってきたが、とりあえず一番お気に入りの

ジーンズを履いて、Yに見せたいCDやマンガを詰め込んだリュックサックを

背に、無人駅で1人、白い息を吐き続けた。

 

10分くらい待つと、雪道をとんでもないスピードで走ってくるワゴン車が

見えてきた。社外にも響くような重低音を響かせ、腹下からは青白いネオンの

光が見え隠れする、とってもヤンチャな車だった。Yの姉の旦那

「〇〇くんだよね、Yの友達の」私「よろしく・・・おねがいしましゅっ・・・!」

寒さと、ヤンチャな車への恐怖で口が回らなかったが、切れ長の目をした

迫力のある男性が助手席に乗るよう促してくれた。2時間も二人きりになるのは

とても気まずかったが、「寝てていいよ」と言われたのでずっと寝た

ふりをしていた。車内ではとんでもない音量のユーロビートが流れており、

旦那さんもノリノリなご様子だった。これから卒業するかもしれない

高揚感と、大爆音のせいでとても眠ることはでいなかったが、猛スピードで

飛ばしたおかげか1時間半ほどでYの自宅に着いた。

 

旦那さんの後ろを着いて行き、古びた公営住宅の階段を上る。旦那さんは

鍵を開けて「おっすー!」と少し大きな声を出した。「こんにちは!」

リビングのソファから顔だけこちらに向けて声をかけてくれたのは、

八重歯が印象的な少し派手目の女性。しかしそれはYではないと一目で

わかった。思い切り妊娠していたからだ。Yの姉であり、もちろん

旦那さんの奥様。臨月で里帰り出産のため、Yの住む実家に帰省しており、

週末会いに来る旦那さんの車に私が同乗させてもらったのだった。

「Yまだ帰ってきてないんだよね!Yの部屋で待ってな!」

 

気さくなお姉さんは和室の方を指さした。私は軽く会釈をして、

Yの部屋に入った。Yの部屋はタバコと芳香剤の香りが混じって、なんだか

頭がクラクラするような雰囲気だった。壁には当時人気だったビジュアル系

ロックバンドのポスターが貼られており、化粧道具や読みかけの雑誌などが

無造作に散らばった、とてもキレイとは言えない部屋だった。

Yの顔写真などは見つけることができず、あまり物音を立てることも

できないので、私はベッドの横で座り込んでいた。

 

Yの姉は美人とは言えないが、愛嬌のある顔をしていた。血のつながった

妹であれば、とんでもない不細工ではないことが期待できる。

つい2時間前まで、自分の部屋で悶々としていたのに、今は見知らぬ

女性の部屋にいる。色々なことを考えていると、玄関のドアが開け閉めされる

音が聞こえてきた。和室のふすまが開くと、真っ青なモコモコのパーカーに

身を包んだ、金髪の女性が入ってきた。寒い外から帰ってきたので顔は少し

赤くなっているが化粧をしている様子はほとんどなく元カノのドッスンよりも

強面な女性だった。

 

私「はっ・・・はじめまして。」Y「どーも、結構待った?」Yは非常に

気さくな感じで、パーカーを脱ぎながらせっせと部屋着に着替え始めた。

本当に、ずっと前からの友達のように自然に、初対面の私が部屋にいても

全く動じることなく、タバコに火をつけた。逆に私は緊張がピークになり、

暖かい部屋でずっと待っていたのに、顔が真っ赤になっていた。

Y「なに?ブサイクだから帰りたくなった?」私「いや!いやいや!

そんなことはないです!」Y「もうバスも無いから、帰るの無理だしね。」

 

タバコをふかして私をからかうYは、場末のスナックのママのような

雰囲気だった。そして、大きめのTシャツの胸元からは、とても豊満な

バストが見えており、Yの吐き出すメンソールの煙と相まって、私は

本当に気絶しそうになっていた。Y「1本吸うまで待ってね。」

何を待つの?私は全く動けないまま、タバコを吸うYをチラチラ見ていた。

ドッスンより怖い顔はしているものの、その時の私にとっては、世界で

一番魅力的に見えていたのだ。Yとの出会いはもう20年以上前の話だが、

今でもその表情は焼き付いて離れない。とにかく妖艶で、ミステリアスで、

意識を保つのが精いっぱいだった。

 

Yがタバコを灰皿に入れ、少し体をのばした。私は完全に硬直していた。

Y「女の人としたことあるの?」私「えっ、なっ、なにを?」頭では

分かっていたが、思わず聞き返してしまった。Y「フフフ・・・ないんだ。」

そういうと、Yは私のジーンズのファスナーに手を伸ばした。

――― オーマイガッ!私は反射的にYの手を払いのけてしまった。

一番期待していた展開が、あっという間に訪れたというのに、あまりに

突然だったので、つい拒否する姿勢を見せてしまったのだ。

Y「えっ、しないの?」私「いや!えーっと・・・よくわかんないけど・・・」

 

一生で一番動揺している私を尻目に、Yは中島美嘉のCDを大音量で流し始め、

部屋の電気を暗くした。間接照明をつけると、大きめのTシャツを脱ぎ、

ブラジャーも外している様子だった。私のイチモツはジーンズを突き破り

そうな勢いであり、“童貞卒業”が目前に迫っている興奮が私の思考回路を

完全に停止させた。Y「動かないで。」Yは私を仰向けに寝かせ、ジーンズに

再び手をかけた。やっぱりダメ!私はYの手を再び払いのけてしまった。

完全に頭と体が分離している。しかし、ここで卒業のチャンスを逃せば、

私はおそらく向こう10年は童貞のままだ。脱がされるのが恥ずかしいなら、

自分から脱げばいい。童貞の私は意を決して、上着を全て脱ぎ、

上半身裸になった。毎日部活で鬼のようなトレーニングをしていたので、

体はかなり引き締まっていた。

 

Y「かっこいい体だね・・・」Yは私の腹筋を触ってきたが、私はその手も

払いのけてしまう。そしてYを押し倒し、そのまま自分でジーンズと

トランクスを一緒に降ろした。やっほーぃ!待ってましたと言わんばかりに

私のイチモツが飛び出した。Yにイチモツが当たらないよう気を付けながら、

Yのズボンに手をかける。Yは何も抵抗せず、むしろ少し腰を浮かせて、

スムーズに全裸になってくれた。お互い生まれたままの姿となり、

私はいよいよ卒業の時を迎えようとしていた。

 

Y「・・・待って、ゴムつけて。」Yは私の体を押し返すと、ベッドの下から

コンドームを取り出した。しかし、バキバキの童貞であり、予備知識の

ほとんどない私はそこで、とんでもない事を言ってしまった。

「あっ、大丈夫です。エイズじゃないんで。」

そう、私は進学校でも常に5本の指に入る秀才だったのにも関わらず、

コンドームはエイズ予防のための物としか認識していなかったのだ。

避妊の事など全く理解しておらず、ましてや純粋たる童貞なので、

エイズや性病の可能性は皆無と思い、Yのコンドームを断ってしまったのだ。

 

Y「えっ、どういう事?」私「エイズとかは・・・本当にないと思います

(童貞なので)。」私は再び力任せにYを押し倒し、中島美嘉の音楽に

包まれて、童貞を卒業した。私の場合、童貞というより“射精”も人生で

おそらく初めてだったと思う。腰の振り方もよく分からず、どうすれば

Yが満足するかも分からなかったが、とりあえず射精後に急にイチモツが

だるくなったので行為をやめた。コンドームもつけず、そのクライマックスが

いつ訪れるのかも分からなかったので、当然Yの中でぶちかましてしまった。

Yはすごく怒っていたが、こちらも人生初の“賢者タイム”に入っていたので、

Yがなぜ怒っているかもどうでもよかった。

 

Y「やっぱり、初めてだったんでしょ?」私「いや・・・初めてでは

(射精すらしたことありません。)」Y「大事なもの奪っちゃったね。」

チュッ――Yは私が童貞なのを理解し、中で果てた事も了承し、

賢者タイムの私に大人のキスをしてくれた。それは紛れもなく私の

“ファーストキス”であり、私はこの10分間で“キス・射精・性行為”のお初を

3つも、Yに捧げてしまったのである。出会い系サイトで知り合った女性に、

会ったその日に童貞を奪われるなんて、こないだまでは想像もしていなかったが、

いざ卒業してみればどうでもよくて、隣で眠っているYの裸を見るとイチモツが

すぐに復活して、結局その日は6回ほどYにお相手頂いた。2回目からは

強制的にコンドームを付けられ、5回目くらいで

「まだヤリたいなら彼女にしてね」と言われた。

もちろん交際を了承し、その日は無心で腰を振り続けた。

 

結局、Yとは3ヶ月ほど交際し、ある日突然他の男に寝取られた。

まあ、出会い系サイトで見ず知らずの男を部屋に入れるような女性だから、

私の他にも交際している男性はたくさんいたのかもしれない。ただ、

Yの姉の旦那の車で毎週末泊まりに行き、2日間で10回ほどお相手して

いただく生活が3ヶ月続いたので、私の無尽蔵な性欲は行き場を無くし、

Yと別れてから私は初めて“ソロ活動”を行った。

ソロ活動⇒ファーストキス⇒性行為という男のステップを、

私はキレイに逆行した。

 

ただ、いくらソロ活動を行っても、心の穴は埋まらなかった。

ドッスンと別れた時は出なかった涙が、Yにフラれた時は止まらなくなった。

Yに会いたい・・・というより、Yとヤリたい・・・。Yにつけられたキスマークが

消える頃、私は眼鏡をコンタクトに変え、服装も一新し、リア充への道を

歩むことを決めた。2時間も離れた町の女性なんかではなく、気軽に会える

女性を彼女にして、そして、ヤリまくるんだ。私は師匠に卒業報告し、

Yの名前が入ったアドレスを変更し、桜が咲き始める春を迎えるとともに、

出会い系サイトを再開した。

 

今考えるとYは、出会い系サイトで出会う女性の中では“当たり”の部類だった。

胸は大きく、具合も良かった。なにより会ってすぐに関係が持て、

あっという間に消えていった。最後まで正式な年齢も、正直本名も

分からなかったが、おそらくは単純に欲求不満であり、毎日トレーニン

している高校生である私の体に魅力を感じてくれたのだろう。

お互いがまさに“体目的”で交際していただけなので、デートもほとんど

したことはなかったが、Yは間違いなく私の“初恋の人”であり、

20年以上経った今も、たまに思い返す女性の一人である。

出会い系サイト攻略は文章力

ドッスンと別れ、見え見えのフィッシングメールに引っかかった

私の携帯には、朝起きると吐き気がするほどの迷惑メールが届いていた。

どうやら私の童貞は、女医師(40歳)や女インストラクター(32歳)の間に、

数百万単位という高値で市場に出回っているようだった。

すぐにメールアドレスを変え、アドレス変更のメールを40人ほどの友達に

一斉送信した。うっかりドッスンにも送ってしまった。

 

学校に行くと、ドッスンの周りの女子の視線が冷たい。

ドッスンの友達なので、個性豊かな面々なのだが、ドッスンがどういう

理由で別れを決断したのか分からない以上、彼女たちが私にどのような

感情を抱いているのかも、分かるはずがなかった。昼にクラスメイト数名と

渡り廊下で弁当を食べている時に、ドッスンと別れたことを報告した。

みんな大爆笑だった。「ドッスンとヤッてほしかったなー!」

ドッスンの裸教えてほしかった!」などと、からかい続ける友達に

少し腹が立った。「どこまでやったの?」と聞かれ、「インコがパニックに

なって髪の毛を触ったとこまで」と正直に答えると、数名の友達が飲み物を

吹き出した。

 

ドッスンと別れたからアドレス変えたの?」と聞かれたが、そこも正直に

「迷惑メールが止まらなくなった」と答え、私の童貞が高値で取引されている

メールを見せると、呼吸困難になるやつまでいた。

「“エキサイトフ〇ンズ”やればいいじゃん。」一人の男友達がボソッと呟いた。

彼はワックスで髪の毛をツンツンに立て、隠れてタバコを吸っているような

不良であったが、田舎者の私をからかうのが大好きで、いつも一緒に昼食を

とっていた。

 

20年以上前の話なので、当時はもちろんガラケーで、カメラが徐々に

搭載され始めたが、パケット通信料に無制限というプランもほぼ無かった。

そんな彼のガラケーを見てみると、色々な女性のプロフィールがズラリと

並んだサイトが表示されていた。私「これで、近くの人と友達になれるの?」

男友達「俺、普通にヤリまくってるよ。」 ヤリまくってる?ドッスン

髪の毛に触れて以来の衝撃がイチモツを駆け抜けた。なぜ、同じ高校で

同じクラスの彼は、出会い系サイトでヤリまくっているのに、私は童貞の

ままドッスンにフラれているのだ。

 

確かに、その友達はイケメンで、女子とのコミュニケーション能力も高い。

私が彼に勝っているのは素行の良さと、市場価値の高い童貞を守り続けて

いることくらいだろう。私は彼にポカリスエットのご馳走と、昼食後の

一服の際の見張り役を条件に、“師匠”と呼ばせていただき、その

エキサイトフ〇ンズ(通称:エ〇フレ)について指導してもらった。

 

エ〇フレは、メール友達を募集する男女が、それぞれのプロフィールを

投稿しているだけの非常にシンプルな掲示板だった。プロフィールの端に

あるメールのマークを押すと、すぐに本人へのメール送信画面に

切り替わるので、登録も一切必要ないサイトだった。

検索条件に都道府県や性別、年齢などを入れると、お目当ての女性の

プロフィールがズラリと表示されるとても良質なサイトであった。

私「これ・・・全部友達募集してるの!?」男友達「ほとんど“ニセモノ”だからな。

すぐ見分けれるよ。」

 

師匠が言うとおり、このように使いやすいサイトには“サクラ(業者)”が

蔓延していた。95%がサクラと言っても良かっただろう。

サクラのプロフィールには、とんでもない美人の画像や、セクシーな画像、

またはとてつもない淫乱な内容の投稿がされており、ライオンのオスメスの

判別くらい簡単に見分けることができた。ただ、危うく女弁護士に300万円で

童貞を落札されかけていた私は、慎重に彼の指示を仰ぎ、授業中も気になる

プロフィールを見つけては、師匠に業者かどうか判断を仰いでいた。

師匠でも判断がつかない時は、とりあえずメールを送ってみた。すると、

授業中にもかかわらず、怒涛の迷惑メールが押し寄せる。師匠に見せると

教科書で顔を隠しながらゲラゲラ笑い、“スマン”と手を合わせられた。

 

一週間ほど師匠に師事し、ポカリスエットを買い続け、何名かの女性と

メールをやり取りできるようになった。私が学んだのは、このようなサイトで

女性と出会うのに必要なのは2つだと分かった。その1つは“タイミング”である。

当時のエ〇フレは、同じ都道府県に絞っても3分に1件ほど、新しい女性が

投稿していた。だが、その95%は業者であり、その地雷を踏んでしまえば、

メールアドレスの変更を余儀なくされてしまう。そして、私のように血眼に

なってエ〇フレで検索し続けるライバルは物凄い多いという事も分かる。

 

一度、師匠と冗談半分で“女性”になりすまして友達募集を投稿したところ、

10分で男性から80件近いメッセージが届いた。すぐに投稿を削除し、

メールアドレスを変えたが、サイトは男性と女性の割合が99:1くらい

なのではないかと思ったほどだった。なので女性はおそらく、投稿しては

すぐに削除を繰り返しており、サイト上にずっと残っているのは自然と

サクラの投稿のみになっているのだと断定した。本物の女性が投稿し、

メールが押し寄せる前に投稿を削除するまでの数分間の間に、その女性に

メールをし、知り合いになるタイミングを逃さないのが最も必要な条件だったのだ。

 

そして次に必要なのが“文章力”。投稿後、あっという間に押し寄せるメール

全てに返信する女性は皆無に等しい。いかに目に留まるメールを送り、

返信してもらうかが第2のキーポイントであり、件名と冒頭の1行分の

文章に全てを注いだのだった。

 

「件名:久しぶり♪本文:メアド変えたよ!覚えてる?(笑)」

「件名:お願い♪本文:体目的ではないのですが、籍だけ入れてくれませんか。」

「件名:【緊急連絡】大変です♪本文:とんでもないことになっちゃった!」

上記のようなメールは割と返信率が高かった。大事なのは女性に返信“させる”

ということであり、一度メールが届けば、そこから徐々に関係を構築するのは

そこまで難しいものではなかった。

 

ともあれ、師匠とエ〇フレをフル活用し、月末には莫大なパケット通信料の

せいで母親にお年玉を没収されながらも、私は何名かの顔も分からない女性と

メールができるようになった。ただ、田舎に住んでいることと、部活動が

忙しかったこともあり、なかなか直接会うことはかなわなかった。そんな時、

3日ほどメールをしていた女性から1件のメールが届いた。

『そろそろ、会いたくない?』そのメールを見た私のイチモツが静かに、

ウォーミングアップを始めた。

高校1年生の時に出会い系サイトを知りました

人口が1万人にも満たない北国の田舎町。中心部から車でさらに

1時間ほど山の中へと車を走らせると、私の住んでいた“集落”が現れる。

小学校の全校生徒は約60名。1クラス10人ほどの小学校(中学校も)では、

居眠りなんかもすぐに見つかるので、授業をしっかり受けることができた。

毎日、山や川を渡り30分以上かけて登下校を繰り返せば、基礎体力も

都会の子供よりは高かった。それは20年前の事、私は市内で一番

人気の高校へ入学した。もともと勉強はできる方だったので、抜群の

基礎体力も相まって、成績では何の問題もなかった。

 

ただ、生粋の田舎者だった私は、クラスメイトにいじられながら、

楽しい学校生活を送っていた。もちろん、酒やタバコなどには一切

興味は持たず、法律はもちろん、校則も全て遵守しながら、毎日

2時間かけて自転車通学を続ける“超”優等生だった。高校生活にも慣れ、

初めてのクリスマスを迎えるあたりで、クラスの中でチラホラと

カップルが増え始めた。

 

スカートが短い女子と彼氏の首筋には、キスマークがついていた。

江戸川コナンの正体が工藤新一ぐらい当然のように、私は

バキバキの童貞だった。さらに信じられないことに、思春期男子の

ライフワークであるソロ活動(オナニー)すら一度もしたことが

なかったのである。私のアダルトな情報は、保健体育の授業と、

帰り道にたまに落ちていたビショビショのエロ本しかなかった。

なので特に大きな憧れを抱くこともなく、登下校で疲れ果てた私には、

ソロ活動を行う体力も毎日残っていなかったのである。

 

そんな時、クリスマスムードに後押しされて、私にも彼女ができた。

同じクラスの女子で、あだ名は“ドッスン”という、迫力のある女子だった。

ただ、女性と交際経験もなかった私には、ドッスンをどのように

エスコートすれば良いのかわからず、週に一度の部活が休みの日に、

ショッピングセンターでプリクラを撮る程度であり、手もつなげずに

適度なソーシャルディスタンスを守り続けていた。

 

ドッスンとはヤったのか?」「ドッスンとチューしたの?」などと、

クラスメイトに毎日のように聞かれた。そもそも、なぜお付き合い

したのかも分からず、何がゴールなのかも分からなかった。

何回見てもドッスンドッスンで、外観に魅力は一切感じず、

チャームポイントは毎日変わる髪飾りだけだった。

 

そんなドッスンとの交際に必要性を感じず、どうやって別れた方が

良いのか考え始めたある日、2人でショッピングセンター内のペット

ショップを見ていた時に事件が起きた。セキセイインコが入ったカゴを

ドッスンが見つけた瞬間、インコがパニック状態になり、激しく暴れ出した。

至近距離で突然ドッスンに見つめられれば、羽ばたきたくなるのも理解は

できるが、ドッスンの頭は、インコのせいで飛び散ったオガクズだらけになった。

ドッスンは苦笑いしながら、その場でパラパラとオガクズを振り落としたが、

頭頂部に1粒だけ大きなオガクズが残っていた。「あっ、まだ残ってるよ」と

私が指さすと「えっ、どこ?」と言いながらドッスンは頭を手で掃い続ける。

私は何の気なしに、そのオガクズを指でつまんだ。

 

3ヶ月以上交際し、私が初めてドッスンに触れた瞬間だった。

「キャッ」とドッスンは小さく声をあげた。その声は私の全身に

衝撃を走らせ、ソロ活動すらしていなかった私のイチモツが、

16年かけてようやく目覚めたのもすぐに分かった。

 

ドッスンが乗るバス停まで歩く間も、ドッスンの決して細いとは言えない

その足に釘付けだった。バスが来るまでの間、ギンギンのイチモツを

隠しながら、次にどうすればよいのか考え続けた。キスまでなら

いけるんじゃないか?童貞を16年間守り続けた私は、ドッスンにそれを

捧げる覚悟を決めた。ギンギンのイチモツを鞄で隠し、バス停のベンチに

座るドッスンの目の前に立った。やはりダメだ。改めて正面から見つめると、

やっぱりドッスンドッスンだった。今にもつながりそうな太い眉毛と、

怒っているのか勘違いしてしまうような強面の顔。

 

私がお付き合いしているこの“ドッスン”というあだ名の女性は、

全世界でマリオを踏みつぶし続けてきたドッスンが、ゲームの世界から

飛び出してきただけなのだ。ギンギンのイチモツも落ち着きを取り戻し、

不思議そうな表情のドッスンを乗せて、バスはクッパ城へと帰って行った。

そしてその日の夜、ドッスンから「別れよう」というメールが届いたのだった。

私はなぜかドッスンにフラれ、ショックはなかったものの、“彼女がいない”と

いう事実に虚しさを感じた。メールだけは毎日していたので、ドッスン

別れてしまえば、私の携帯にほとんどメールは来ない。

 

何とも言えない気持ちで携帯を眺めていた時、いつも未開封のまま

削除していた迷惑メールにふと目が留まった。

『タイトル:女弁護士(36歳)があなたの童貞を300万円で落札しました』

なっ・・・なんだと!毛利小五郎の名推理は、実はコナンが行っているくらい

当然だが、これはフィッシングメール。しかし、当時の私は

「なぜ、私が童貞なことを知ってる?」と思い、そのメールのURLを思わず

クリックしてしまった。私と出会い系サイトの長い戦いが始まった瞬間だった。

無料の出会い系サイトで100人以上の女性をGET

金、車、家、圧倒的なビジュアル・・・どれも持ち合わせていない

ホームレスの私が、1人でも多くの女性と関係を持つために

始めたのが“出会い系サイト”。

 

約5年間で100人以上の女性と関係を持つことができたが、

その道のりは決して平坦なものではなかった。

 

“無料”の出会い系サイトのみを使い、小さな田舎町で戦い続けた

一人の大学生の生々しいリアルな体験記です。

ホームレスが犯罪以外でお金をゲットした方法

※駐車場の出入り口

自販機のおつりのポケットに手を入れた事、自販機の下を覗き込んだことなら、みなさんも経験があると思う。ただ、私くらいの上級者になると、自販機は、ほぼ確認しない。真冬に有料駐車場の精算機の下を見てみてほしい。凍った地面に100円玉が度々落ちていることがある。これは、駐車料金を車の運転席から支払うときに、寒さで小銭を落としたものの、後ろから車が来ているので、ゆっくりと拾うことができずそのまま走り去る人が多いからだと考えられる。夏場は、ほとんど落ちていないのに、冬は繁華街の有料駐車場を5か所ほど回れば、数百円落ちていることが多かった。今でも、自分が有料駐車場から出るときに、精算機の下を見る癖が抜けない。落ちていても拾うことができず、あの頃の自分に教えてあげたい気持ちでいっぱいになる。

 

※病院のコインロッカー

田舎のコインロッカーは無料なことが多い。無料とはいっても、1度はお金を入れなくてはならず、使用後に百円が戻ってくるのである。しかし、何十台もコインロッカーが並んでいるところではたまに、その百円を取り忘れていることがある。駐車場の精算機に比べ、ヒット率が低く、周りに人がいることが多いので頻繁にはチェックできないが、数百円残っていることがあった。銭湯もコインロッカーはあるが、無料で入れるのは病院だけだった。

太平洋のような ストライクゾーンを持つ私はブスでもナンパ

人妻のヒモ状態に突入してから、私の経済情勢は一気に安定を見せた。

2~3日に1回会っては、オッパイを満喫して、ご飯をご馳走になって、

オッパイを満喫して、1万円程度のお小遣いをもらっていた。

Kの旦那の実家が不動産で成功しており、豪邸住まいだが、家には1円も

お金を入れなくてよく、Kは自分の給料と、旦那の給料の一部を好き放題

使えているとのことだった。

 

ただ、厄介だったのが、Kは私が他の女性とコンタクトを取ることを極端に

拒絶し、自分は結婚しているくせに私を“束縛”してくるタイプだった。

こちらとしては貴重な収入源であり、食欲も性欲も物欲もKが存分に

満たしてくれるので、K以外の女性を探す必要はないのだが、Kは人妻で、

毎晩はホテルには泊まれないし、もちろん自宅にも泊まれない。

そのうえ、この時期は大学が長い冬休みに入り、男友達もみんな地元に

帰省してしまっていた。そのため、私は漫画喫茶などで一晩過ごすことが

増えたのだが、いつまで続くか分からないKとの関係の不安から、

漫画喫茶のパック料金さえ勿体なく感じていたのだ。

 

そんな状態で、クリスマスが終わり、1年が終わろうとしていた年末のある日、

私は相変わらず寝床も確保できずに、深夜まで営業しているレンタルビデオ店

暖をとっていた。私がいつも愛用していた漫画喫茶は、深夜0時以降に

入店すると、とてもお得なパックがあったので、その日も時間を潰して

いたのだ。閉店が近づき、店内の客もほとんどいなくなった。

そろそろ漫画喫茶へ向かおうとしていたその時、女性の店員が返却された

DVDを売り場に戻しているのが目についた。

 

当時の私は視界に入る全ての女性が“対象”であり、下半身を中心に生きている

状態だった。明らかに仕事をしている最中のその女性も例外ではなく、私の

ターゲットになった。私「・・・すみません。」店員「はい。」

(店員としての機械的な返事)私「おすすめのDVDありますか?」

店員「えっ・・・」 声をかけて、近くで冷静に見ると、この店員・・・

とんでもないパンチのある顔面をしていらっしゃるでなければ、声をかけることはなかっただろう。

店員「おススメ・・・えーっと・・・」 その店員はかなり困惑した様子で、

それでも必死に近くのDVDコーナーを探してくれた。

 

そして当時新作だったディズニーピクサーの映画を1本選んでくれた。

ただ、お気付きだろうが私は、“テレビも無ぇ ラジオも無ぇ オラはそもそも

家が無ぇ”ので、DVDを借りる予定などサラサラ無かった。しかしそこは

生粋のナンパ師。私「わー!めっちゃ面白そう!」

店員「はい!私も映画館で見たんですけどペチャクチャ

(早口でおすすめポイントを話してくれている)」

私「じゃあ、一緒に見てくれません?」店員「・・・・・・はい!」

失礼だが、きっとこの女性は生まれて初めて、男性にナンパをされている。

私は呼吸をするがの如く自然と行っているナンパだが、彼女にとっては

初めての経験。明らかなる動揺をしているが、その様子もまたパンチが

効いてる。

 

私「閉店してからも仕事結構あるんですか?」店員「30分くらい・・・」

私「じゃあ、向かいのコンビニで待ってます!」店員「えっ・・・」私は

自分が白馬の王子様の如く、さっそうと店を出た。コンビニで待機し、

彼女が出てくるのを待った。きっと彼女は閉店後の仕事が手に

着かなかっただろう。「〇〇さん!何でこんなミスしたの?」なんて

上司に怒られ、「いつもはこんなミスしないのに」と周りに心配され、

「変な人について行ったら絶対ヤバい・・・でも、気になっちゃう」なんて

戸惑いながらも、チラチラと店の外を見てしまう・・・そして、その顔も

きっとパンチが効いてる。

 

結論から言うと、彼女の名前は最後まで知ることがなかった

(なので経緯を込めて“パンチ”と呼ぶ)。パンチは閉店して10分くらいで

店から出てきた。「お姉さん、車持ってますか?」と私が改めて声をかけると、

「はい・・・」と先程より少しやわらかい感じで返事をしてくれた。

Kにバレたら大変だが、このくらいパンチが効いていれば、私が下心で

動いているのではないと分かってもらえるだろう。私はとにかく、

“あったかい布団で眠る”ことができればそれでいいのだ。

 

パンチは実家暮らしだった。さすがに実家に行く気はない。私の家に

来るつもりだろうが、私には家がない。パンチもパンチでどうかしているが、

そもそもパンチおススメのDVDを借りていない。フワフワも何も積んでいない、

燃費のよさそうな乗用車に乗せてもらい、私も私で困ってしまった。

“寝床も無ぇ オッパイも無ぇ おそらく今まで経験も無ぇ”パンチとこの後、

どうすれば良いのか分からなかった。レンタルビデオ店の駐車場で、変な

時間が流れていく。私も、なんでもかんでも声を掛ければよいわけではないと

反省をしていた。「・・・あの、これ要りません?」パンチが突然、カバンから

小さな箱を渡してきた。開けてみるとそこには、ドルガバのネックレスが

入っていた。

 

ブランド物に詳しくない私でもすぐに分かるくらい、“D”と“G”の文字がとても

大きく刻印された分かりやすいネックレスだった。私「えっ、なにこれ?」

パンチ「あっ、もらったんですけど・・・私つけないんで。」大変申し訳ないが、

私もつけない。ただ、そこそこ高そうな箱に入っていて、全くの未開封だった。

結構な値段がするだろう。私の頭の中にはすっかり、リサイクルショップの

店内BGMが鳴り響いていた。私「ありがとう!メッチャ格好いい!」

開封すると買取価格が下がるので、あくまでも開けない)

パンチ「よかったです。」ついさっき声を掛けて、特に用事もなく車に

乗り込んで、ドルガバのネックレスをもらえた。

 

少し申し訳ない気持ちになったので、朝まで営業しているカラオケに行って、

お酒の勢いでパンチの唇を奪った。(何度も言うが私はこの後に、この

カラオケ店の店長になる。)さすがに、“上パンチ”は攻略できても

“下パンチ”へ攻める気にはなれなかった。それはパンチの顔面が

パンチだからではなく、キスの感じからしてもパンチが“バージン”なのは

間違いなく、それがこんな男に奪われるのは絶対に良くないことだと

思ったからだ。

 

お酒とパンチのビジュアルのせいで、私の“下パンチ”が全く反応しなかったのは

決して関係ない。カラオケ代はパンチが支払ってくれたので、私は連絡先も

交換せずに、パンチの車で漫画喫茶まで送ってもらった。

パンチの唇の感触は一切覚えていないが、ちゃんと目を閉じていたのは少しだけ

可愛らしかった。パンチも、何が起こったのかよく分からないまま、きっと

DVDを棚に戻し続ける、いつもの日常に戻っただろう。ちなみにドルガバの

ネックレスは、コピー品で買取してもらえなかった。